「献灯使」多和田葉子

 最近読んだ本。

原発事故の収拾がつかなくなり、鎖国した日本の話。

事故後に生まれた子どもは病弱で要介護、

事故当時の大人は死ねずに100歳overな世界。

外国語(英語)を習うこと、外国の話題を話すことは禁止されていて、

英語、外国のもの=カッコイイという価値観がなくなっているのが痛快。

 

以下は一番ニヤニヤした箇所。

今はいている韋駄天靴は、天狗社が最近発売を始めたもので、はき心地がよく、どこか草鞋を思わせる。天狗社は岩手県に本社があり、靴の中に「岩手まで」と毛筆で書いてある。この「まで」は、英語を習わなくなった世代が「made in Japan」の「made」を自分なりに解釈した結果できた表現だった。

献灯使

献灯使