『倫敦!倫敦?』長谷川 如是閑 岩波文庫

これおもしろい。
1910年のイギリスはロンドンのルポなんだけど、すごく新鮮。
実感挑発的倫敦とか倫敦女房とか、もっと早く読みたかった。
ヨーロッパ文化はなんでも挑発的らしいが、国によって差があって、
例えば、パリモードはイギリスではどうしてもはやらなかったらしい。
フランスでは肩丸出しドレスがはやってたんだけど、
(まるで日本の着物で衣文を抜くみたいに。)
だけどイギリスでは首までつめたドレスがはやっていたらしい。
フランスで巨大な帽子がはやっても、イギリスでは受けがいまいちだった、とか。
女性が虐げられていたというのはある意味では嘘かも。
ロンドン女房のたくましさといったら。
写真つきで100年も前のことなんだけど、最近のように感じる。
このころから職業として自動車各種の運転手があった。
ウラジオストック発の寝台列車での旅が面白すぎる。
伊丹十三のエッセイのようなハイブリッド感。
論文ではないので、お楽しみ用ですが、十分。